前回の記事
https://www.penguin-diary.com/entry/2020/06/07/225017
の続きになります。
前回の記事の続きから始めるので、もしこの記事を読みたいと思っていただけるのなら、前回の記事をまず読んでいただければと思います。
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さてさて、前回までの整理をします。
ミッション1で、最初のリードプレイヤーであるプレイヤーAの前に、目標カードとして「青6」が置いてある状況でした。
そして、プレイヤーAに特定のカードを取らせる方法は、
①リードスートが青のトリックをプレイヤーAが取り、その中に青6が含まれている。
②リードスートが青でないトリックを切り札以外でプレイヤーAが取り、そのトリックにリードスートをフォローできなかったプレイヤーが出した青6が含まれる。
③プレイヤーAが切り札で勝利し、そのトリックに青6が含まれる。
の3つであるという話で、前回の記事では①と②について考えました。
ここからは③について考えていきましょう。
③プレイヤーAが切り札で勝利し、そのトリックに青6が含まれる。
細かく分けて申し訳ないですが、この状況は3種類に分かれます。
1)リードスートが青である。
2)リードスートが黒(切り札)である。
3)リードスートが青と黒のどちらでもない。
それぞれ見ていきましょう。
1)リードスートが青である。
このケースには条件が2つあります。
1-1)プレイヤーAが青を保有していない。
リードスートが青の状態でプレイヤーAが切り札を出すのですから、これは大前提です。この上で、
1-2)プレイヤーAが切り札を出すことで、確実にトリックを取れる。
ということが必要です。
プレイヤーAが最初のリードであれば、黒の4を所持しているわけですから、この切り札が出てくればプレイヤーAは確実にトリックを取れます。なので、この状況なら「プレイヤーAは青を持っていない」ということに確信が持てれば、リードスートを青にして、プレイヤーB,Cのどちらかが青6を出せばプレイヤーAのもとに青6が行きます。
状況により少し考えることはありますが、特に難しいことはないと思います。
2)リードスートが黒(切り札)である。
この場合、「黒をフォローできなかったプレイヤーから青6が出てきて、それをプレイヤーAが獲得する」という流れになります。ですので、
「青6を所持しているプレイヤーが切り札を所持しておらず」「黒がリードスートであればプレイヤーAが確実にトリックを取れる」という状況であればこれを行うことができます。
例えばリードプレイヤーが黒をすべて保有していれば、黒4をリードとして出せば誰かから青6が出てきますね。
黒が3枚捨て札になった状況で、プレイヤーAから黒が出てきても、やはり実現します。
他の手段より少し限定的ですが、一応こういうことも起きます。
3)リードスートが青と黒のどちらでもない。
これはもっと限定的です。
「プレイヤーAの特定色が枯れており、かつ切り札を所持しており、その色がリードになれば切り札で勝てる」かつ「青6を所持するプレイヤーもその色が枯れており、その色がリードになれば青6を出せる」
この2つを確信できる状況はそう多くないと思いますし、そもそもこの状況が完成する確率も高くはなさそうです。
③はスムーズに終わりましたね。
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さて、前回の記事と合わせて、「特定のプレイヤーに特定のカードを獲得させる」方法について説明しました。
①リードスートが青のトリックをプレイヤーAが取り、その中に青6が含まれている。
②リードスートが青でないトリックを切り札以外でプレイヤーAが取り、そのトリックにリードスートをフォローできなかったプレイヤーが出した青6が含まれる。
③プレイヤーAが切り札で勝利し、そのトリックに青6が含まれる。
この3つの方法のうち、「どれかを実現させよう」という魂胆でこのゲームは進んでいきます。基本的にカードを出すときは「どの人に対してどれを狙えるのか??」ということを意識しますし、可能な限りどれかを達成する意図をもってカードを出す必要があります。
特にリードプレイヤーは意図を明確にして行動ができるので、慎重にカードを選ぶ必要があります。
「自分がリードプレイヤーなのだが、何も狙えないし予備動作も浮かばない」という状況も出てきますが、その場合はとりあえず負けそうな弱いカードを出して、誰か別の意図を持てるプレイヤーにリードを回したいです。これも1つの立派な意図です。
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これを確認したところで、1つ例を見てみたいと思います。
状況は同様で、最初のリードプレイヤーAの前に青6のカードが置かれているミッション1の最初のトリックだと思ってください。
この初手、プレイヤーAの手から、赤9が出てきました。
この時、プレイヤーAは何をしようとしているでしょうか??
まず、「どうにもならないので誰かにリードを回したい」という状況ではなさそうです。もちろんかなり特殊な手札を持っていれば、どうにもならずに赤9が出ることもあるかもしれませんが、確率としては低そうに思うので、この可能性は除外します。
そうなると、プレイヤーAはどうやらこのトリックを取ろうとしているようです。
「このトリックを取って、次のリードで更にやりたいことがあるぞ!」
と言っているように思えます。
さて、何がしたいのでしょう。
先ほどの3つの手法のうち、どれを狙っているのか考えましょう。
①リードスートが青のトリックをプレイヤーAが取り、その中に青6が含まれている。
これを狙っている状況を考えましょう。
まず、この手法には青についての情報・状況しか絡みません。赤の情報・状況が変わっても、特にいいことはないです。
ですから、これを狙っているとすれば、「赤9を出すことで、青の情報や状況に変化が出る」ということです。つまり「赤のトリックをフォローできなかった人から青が出てきて、状況・情報が変化してほしい」と思っています。2パターンです。
1)プレイヤーAが自分で青6を持っている場合
この場合、プレイヤーAは、「青がリードのトリックで、自分が青6を出して勝ちたい」と思っています。このために赤9を出すということは、「赤9を出して赤のトリックを回すことで、青がリードの時に他プレイヤーが確実に青6に負けられる状況を作りたい」という狙いです。赤のトリックを何回か回して、他プレイヤーの赤を枯れさせ、手札を整理してほしいということです。
青の7,8,9があれば、早く処理してほしいということを言っています。
2)プレイヤーAが自分で青6を持っていない場合
「自分が青の7,8のいずれかを所持しているが、青のトリックで勝てるかわからないので、この情報を確定させたい」と思っています。
この場合もやはり、青の7,8,9を早く処理してあげたほうが良いでしょう。
②リードスートが青でないトリックを切り札以外でプレイヤーAが取り、そのトリックにリードスートをフォローできなかったプレイヤーが出した青6が含まれる。
これは話が単純です。やはり「赤9のトリックを回すことで、他プレイヤーの赤を枯れさせたい」ということで、その上で「自分が確実に取れる赤がリードのトリックで、青6を出してほしい」ということです。
赤を出し続けて、プレイヤーB,Cが赤をフォローできなくなれば、プレイヤーB,Cは青6をアシストするチャンスが出てきます。
③プレイヤーAが切り札で勝利し、そのトリックに青6が含まれる。
これを狙うために赤9を出していると考えましょう。
「リードスートが青の時に切り札を出して勝ちたい」あるいは「リードスートが黒の時に切り札を出して勝ちたい」とは思っていなさそうです。この2つに赤は絡みません。そう思っているのなら、赤9なんて出していないで別のことをすればよいです。
プレイヤーAは「赤9でトリックを回したうえで、やりたいことがある」と言っているようなので、この2つの可能性は薄いでしょう。
厳密に考えれば、「他プレイヤーの切り札を減らして、自分が切り札でトリックを取れるようにしたい」という意図はあり得ますが、他プレイヤーからこれを察知するのはかなり難しいです。
「リードスートが青と黒のどちらでもないトリックで、切り札を出して勝ちたい」
これについては一応あり得ます。赤9を出すことで自分の手札の赤がなくなる、あるいはその次のトリックで赤がなくなる、ということを考えていると思います。そのうえで、
「赤がリードのトリックを切り札で取って、青6を取りたい」ということなのですが、前述のとおり、これができるケースは結構レアケースです。
初手からそんなものを狙うでしょうか?
それを狙うくらいだったら、情報構成の異なる別のプレイヤーにリードを渡したほうが賢明です。
...ということなので、赤9が最初に出てきたとき、かなりの確率でプレイヤーAは、「ほかのプレイヤーの手から赤をなくすことで、青6の獲得につなげたい」と思っているようです。ですので、赤を多く保有していそうです。
それがわかったらどうすればいいのか?という話ですが、仮にこの考察の通りに、赤についての手札構成が以下のようだったとしましょう。
プレイヤーA:2,3,4,6,7,9
プレイヤーB:5,8
プレイヤーC:1
さて、プレイヤーAから赤9が出てきたとき、プレイヤーBは赤5と赤8のどちらを出せば良いでしょうか?
答えはもちろん、赤8です。
赤5と赤8、どちらを出してもこのトリックはプレイヤーAが取ります。しかし、プレイヤーAは「リードとして赤のトリックを回し続けたい」と思っているはずです。
それなのにプレイヤーBが自分の手札に赤8を残してしまったら、次の赤のトリックはプレイヤーBが取ってしまい、プレイヤーBにリードが回ります。ここからプレイヤーAの当初の意図を達成するためには、別の方法でプレイヤーAをリードにする必要があります。まぁできるでしょうが、面倒です。
なので強いほうの赤8から処理し、プレイヤーAに気持ちよく赤のトリックで勝ち続けてもらうのが良いでしょう。
さて、一番簡単なこのケースでは致命傷になりませんでしたが、ミッションが進む毎に目標の数は増えていきます。
このブログではおなじみの、「各所で同様の思考・狙いが発生している」という状況です。
3人プレイを想定すれば、トリックは最大で13回です。無駄なトリックを回している暇はないのです。
ですので「自分の意図を明確にし、相手の意図を適切に読み取る」
ということが必要になりそうです。そこのところを極めて行くと、このゲームが上手になるのかもしれません。
余談ですが、おそらくミッションのレベルが上がると、「すべてを確信する出し方では間に合わない」という状況になるかもしれません。50レベルあるのだからなりそうです。
その時、例えば同じプレイヤーで何度もプレイしていれば、「ある状況であれば80%程度でも可能性に賭けて勝負をすることもある」などの暗黙の了解がプレイヤーの間に結ばれるかもしれません。
そういった了解を積み重ねて、阿吽の呼吸でトリックを回し続けることができるようになれば、そのプレイヤーたちは固い絆で結ばれることになるでしょう。
その結束を体験してもらうことが、もしかするとこのゲームの本当の目的なのかもしれません。
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なんかまとまった風なことを言ったので、2パートに及ぶザ・クルー解説はここで終わりにしたいと思います。
ぜひとも50レベルの世界を見てみたいものですね。
なお、一生懸命可能性を洗い出したつもりですが、何か漏れがあるかもしれません。あったらすみません。
ですが、むしろ「このブログのミスを探してやるぜ!!」と様々な可能性を考えてみると、自然と上達するかもしれません。一緒に考えましょう。
今回もお読みいただき、ありがとうございました。
次回もどうぞ、よしなに。